2007-11-29

Excel演習

前回やり残した課題

$の使い方の復習です。前回に参照した統計学入門の例1.2の「覚えておくと便利なこと」を見て思い出してください。
九九の表を作ってみましょう。まずこのように上と左に1から9までの数字を書きます。
 123456789
1         
2         
3         
4         
5         
6         
7         
8         
9         
表の中は、上と左の数字を掛け算する式を書けばよいです。例えばB2セルは=A2*B1です。
でも81個も式を書くのは大変ですので、一つだけ書いてそれをコピーするだけで表を完成させたいと思います。
$を上手に使って、最初の一つをどのように書けば良いか考えてください。

2007-11-28

これまでのまとめ

相関係数の部分がまだ出来ていない人が多いですし、丁度半分終わったので、今日の講義は前回までの復習です。

分散と標準偏差の解答

Sub 練習()
Dim x() As Single, wa As Single, i As Integer, n As Integer
i = 1
Do While Selection.Cells(i, 1) <> "" And IsNumeric(Selection.Cells(i, 1))
  i = i + 1
Loop
n = i - 1
Selection.Cells(n + 1, 1) = "個数"
Selection.Cells(n + 1, 2) = n

ReDim x(n)
For i = 1 To n
  x(i) = Selection.Cells(i, 1)
Next i
wa = 0
For i = 1 To n
  wa = wa + x(i)
Next i
Selection.Cells(n + 2, 1) = "合計"
Selection.Cells(n + 2, 2) = wa

heikin = wa / n
Selection.Cells(n + 3, 1) = "平均"
Selection.Cells(n + 3, 2) = heikin

For i = 1 To n
  Selection.Cells(i, 2) = x(i) - heikin
Next i

For i = 1 To n
  Selection.Cells(i, 3) = Selection.Cells(i, 2) ^ 2
Next i

wa2 = 0
For i = 1 To n
  wa2 = wa2 + Selection.Cells(i, 3)
Next i

bunsan = wa2 / n
Selection.Cells(n + 4, 1) = "分散"
Selection.Cells(n + 4, 2) = bunsan

hensa = Sqr(bunsan)
Selection.Cells(n + 5, 1) = "標準偏差"
Selection.Cells(n + 5, 2) = hensa

End Sub

既に出来た人のために、別のテーマを用意しました。
まず11月4日の後半に書いているInputBox, MsgBoxとFunctionを勉強してください。
それが終わった人は、入力先だけでなく、結果の出力先もExcelに表示されるボックスから指示できるようにするために、ユーザーフォームの使い方を勉強しましょう。詳しいことは「ExcelVBAによる統計データ解析入門」縄田和満著に書いてあります。
 ユーザーフォームは主に、以下のような流れで作ることができます。

    1、ユーザフォームの準備 (「挿入」→「ユーザーフォーム」)
    2、ラベルの作成 (「ツールボックス」中の[A]を ドラッグ アンド ドロップ)
    3、テキストボックスの作成 (「ツールボックス」中の[ab|]を ドラッグ アンド ドロップ)
    4、コマンドボタンの作成 (「ツールボックス」中の[コマンドボタン]を ドラッグ アンド ドロップ)
    5、タブオーダーの変更 (TextBox、CommandBox、Labelの順にする)
    6、コードの作成 (CommandButtonがクリックされたときのもの)
    7、Calculateプロージャの入力 (標準モジュールの[Module1]にコードを入力する)
    8、ユーザーフォームを起動するプロシージャーの作成 (標準モジュールの[Module1]にコードを入力する)

例題

まず,次のようなプログラムを考えます。
Sub total()
Range("A1").Select
x1 = Selection.Cells(1, 1)
x2 = Selection.Cells(2, 1)
x3 = Selection.Cells(3, 1)
Sum = x1 + x2 + x3
Range("B1") = Sum
End Sub
これはA1セルを選択して,そこから3つの数を足して,結果をB1セルに表示するプログラムです。 このA1とかB1の部分を,プログラムの実行時に指定できるようなプログラムを作ります。

このような画面を作り、ここにA1と入力して計算開始ボタンを押すとA1から下3つのセルを足し算して結果をB1に書き込むプログラムを作りましょう。まずこの画面を作りましょう。よく分からない人は上の概略を読んでください。

大事なのは、「計算開始」ボタン(オブジェクト名はCommandButton1)を押した時のプログラムの動作です。Microsoft Visual Basicの「表示(V)」をクリックしてその中の「コード(C)」を選んでください。UserForm1(コード)という画面が現れるので、まず左側から「計算開始」ボタンのオブジェクト名CommandButton1を選びます。次にそのボタンをクリックした時の動作を記述したいので右側からClickを選びます、というか最初からそれが選ばれていると思います。すると
Private Sub CommandButton1_Click()

End Sub
と書かれていますので、その2行目からプログラムを書いていきます。

A1を選択するにはRange("A1").Selectと書きますが,この"A1"の部分をプログラム実行時に指定できるようにしましょう。ここでは今作ったフォームの白い箱(オブジェクト名はTextBox1)に記入された 文字を使いますので、"A1"の代わりに
Range(UserForm1.TextBox1.Text).Select
と書きます。 また,B1セルに結果を表示するにはRange("B1") = Sum と書きます。 表示し終わったら「セルの足し算」画面を消しますので Range("B1") = Sum

End Sub の間に
Unload UserForm1
と書きます。これが無いと足し算の結果を 表示した後もプログラムが終わらなくなります。終わらなくなって困った時は「セルの足し算」画面右のXボタンを押してください。

これでほぼ完成ですが、最後に「セルの足し算」画面を表示するためのプログラムが必要です。標準モジュールのModule1(もしなかったら「挿入(I)」をクリックしてその中の「標準モジュール(M)」を選んでください)に
Sub total7()
UserForm1.Show
End Sub
と書き込んでください。エクセルの適当なセルに縦に3つ続けて数字を入力してこのtotal7プログラムを実行したら「セルの足し算」画面が表示されるので、数字を入れた最初のセルの名前(A1とか)を入力して、計算開始ボタンを押してください。

練習問題

1. 計算結果を出力するセルも指定できるように画面を

このように作り変えて、下側の白い箱に書かれた場所に結果を書くようにプログラムを修正してください。

2. 続けて計算できるように、計算開始ボタンを押して計算結果をセルに書いても、プログラムが終わらないようにしてください。そして

このように終わらせるためのボタンを作って、そのボタンを押したら終わるようにしてください。

3. プログラムを実行する度にセルの名前を入力するのも面倒ですね。プログラムを実行したときは初期値としてA1と書いてあるようにしましょう。

他のセルの計算をしたい時にはこのA1を消して書き直せば良いのです。このようなプログラムに修正してください。

4. 計算結果も「セルの足し算」画面に書いてしまいましょう。

計算結果をUserForm1.TextBox2.Textへ代入してください。

5. 最後に、計算プログラムをDo While~Loopを使って空白セルになるまで足し算を続けるプログラムを作ってみましょう。

2007-11-27

多項式回帰

実験の結果(x,y)に関して、次の20個のデータが観測されました。
xy
0.000.854
0.050.786
0.100.706
0.150.763
0.200.772
0.250.693
0.300.805
0.350.739
0.400.760
0.450.764
0.500.810
0.550.791
0.600.798
0.650.841
0.700.882
0.750.879
0.800.863
0.850.934
0.900.971
0.950.985
出典:小西貞則、北川源四郎著「情報量規準」共立出版株式会社

このデータに多項式モデル

y=β01x+β2x2+…βpxp

を当てはめてみます。0次多項式(定数), 1次多項式(直線)から6次多項式を当てはめて、交差検証法を用いて、何次多項式モデルが最も良いか選択してください。

x,x2,…,x6を前回のデータにおける緯度、経度、標高と同じようにそれぞれ別の変量として扱うことで、前回同様の方法で回帰式の係数や、残差平方和を求めることが出来ます。

前回同様、CSV形式で書いておきますので、CSVファイルとして保存してください。

x, y
0.00, 0.854
0.05, 0.786
0.10, 0.706
0.15, 0.763
0.20, 0.772
0.25, 0.693
0.30, 0.805
0.35, 0.739
0.40, 0.760
0.45, 0.764
0.50, 0.810
0.55, 0.791
0.60, 0.798
0.65, 0.841
0.70, 0.882
0.75, 0.879
0.80, 0.863
0.85, 0.934
0.90, 0.971
0.95, 0.985

気温のデータの場合は、緯度だけ使う、経度だけ使う、など全部で23=8通りの組み合わせがありましたが、多項式の場合は1次の項を使わず2次の項だけ使う、ということはありえないので、検証すべき組み合わせは

  • 定数項だけ
  • 1次の項まで
  • 2次の項まで
  • 3次の項まで
  • 4次の項まで
  • 5次の項まで
  • 6次の項まで
となります。

2007-11-15

Excel第2回

今日の内容

  1. 前回に引き続き統計学入門の例の例1.6を使って、グラフの書き方、Excelの関数について学びます。
  2. 例の順序が逆になりますが、例1.2に戻って、相対参照と絶対参照について学び、九九の表を作ります。これをレポート課題とします。
  3. 終わった人へは、マクロを使った処理の自動化について説明します。
来週は学園祭の準備期間なので講義はありません。次回の講義は再来週29日です。

2007-11-14

相関係数

前回の回答

ちょっと難しかったので、3列目に平均との差の2乗も書く回答例を示します。
160-10100
162-864
164-636
166-416
168-24
17000
17224
174416
176636
178864
18010100
この3列目を足してデータの個数で割ったものが分散で、
その平方根が標準偏差です。

実際のデータ解析では,エクセルのシートの他のセルには他のデータが入っているので,途中で使う平均との差などをセルに書き出すことができません。ですから,分散を求めるプログラムが書けたら,今度は途中で使った差とか差の二乗をセルに書き出さずに分散を求められるようにプログラムを変更してください。

なお、分散を求めるにはデータの個数ではなく、データの個数-1で割ることもあります。
Excelでは、VAR関数がデータの個数-1で割る分散で、VARPがデータの個数で割る分散です。

プログラムから話題がそれますが、この機会に整理しておきましょう。
クラスの身長を測るとき、目的は次の二通りが考えられます。

  1. そのクラスの身長の平均、分散を知りたい。例えば隣のクラスと比較したい。
  2. 本当は全国の身長の平均、分散を知りたいけれど、全国のデータを集めることが出来ないので、このクラスのデータから全国の平均、分散を推定したい。
最初の目的なら分散を求めるにはVARPを使います。二番目の目的ならVARを使います。
これは、データを何のために集めるのか、ということで、卒業研究のときにもう一度考えてください。

次の身長と座高の相関係数を求めてみましょう。

ABCDEF
学籍番号身長座高身長の偏差座高の偏差偏差の積
115988   
215084   
315786   
415381   
515883   
615285   
715583   
815783   
914576   
1015885   
1116185   
1215083   
1314879   
1415484   
1515485   
1615985   
1714983   
1815586   
1915384   
2016088   
個数   共分散  
合計   相関係数 
平均     
分散     
標準偏差     
まずこのデータの二行目「学籍番号 身長 座高」以降の行をコピーして、エクセルに貼り付けてください。
A1セルが学籍番号、B1セルが身長、C1セルが座高、A2セルが1、B2セルが一人目の身長159、C2セルが一人目の座高88になっていますか。以後そのようになっているものとして説明しますので、そうなるように貼り付けてください。
そして次の手順でプログラムを書いていきます。プログラムに貼り付けられるように,先頭にremをつけておきます。

  1. rem 学籍番号の個数を数えます。この個数は最後まで共通で使えます。

  2. rem 身長を配列xに読み込みます。そして先週までの方法で、身長の合計、平均、分散、標準偏差を求めてB列に書いてください。

  3. rem 同様に、座高を配列yに読み込んで,座高の合計、平均、分散、標準偏差を求めてC列に書いてください。

  4. rem B2に書かれている一人目の身長の値から、身長の平均を引いた値をD2に書いてください。 同じことを、D21まで繰り返してください。

  5. rem C2に書かれている一人目の座高の値から、座高の平均を引いた値をE2に書いてください。 同じことを、E21まで繰り返してください。

  6. rem D2に書いた一人目の身長と身長の平均との差と、E2に書いた一人目の座高と座高の平均の差を掛け算してF2に書いてください。 同じことを、F21まで繰り返してください。

  7. rem F2からF21までの20個の平均を求めてF22に書いてください。それが共分散です。

  8. rem 共分散を身長の標準偏差と座高の標準偏差で割ってF23に書いてください。それが相関係数です。

2007-11-08

エクセルの使い方1

今日はまず先週作成した課題をメールに添付して提出する方法を解説します。
次に利用の手引き第二分冊を使って、Excelの使い方の基本を勉強します。

私の講義にはExcelを使うものが多いので、余裕のある人はこのブログの他の講義の部分を見てください。

2007-11-07

分散

  1. 前回の解答
    Sub 練習()
    Dim x() As Single, wa As Single, i As Integer, n As Integer
    i = 1
    Do While Selection.Cells(i, 1) <> "" And IsNumeric(Selection.Cells(i, 1))
      i = i + 1
    Loop
    n = i - 1
    Selection.Cells(n + 1, 1) = "個数"
    Selection.Cells(n + 1, 2) = n

    ReDim x(n)
    For i = 1 To n
      x(i) = Selection.Cells(i, 1)
    Next i
    wa = 0
    For i = 1 To n
      wa = wa + x(i)
    Next i
    Selection.Cells(n + 2, 1) = "合計"
    Selection.Cells(n + 2, 2) = wa

    heikin = wa / n
    Selection.Cells(n + 3, 1) = "平均"
    Selection.Cells(n + 3, 2) = heikin

    End Sub
  2. 先週に引き続き今度はB組の身長の平均も計算してみましょう。
    160
    162
    164
    166
    168
    170
    172
    174
    176
    178
    180
    先ほどのクラスと平均は同じく170ですが、このクラスの方が散らばりが大きいですね。 この散らばり具合を数字で表して見ましょう。

    課題2

    先ほど作った平均を求めるプログラムの後に、散らばり具合を計算するプログラムを書き足しましょう。
    ・まずそれぞれのデータから、既に求めた平均を引いてそれぞれのデータの右に表示しましょう。
    160-10
    162-8
    164-6
    166-4
    168-2
    1700
    1722
    1744
    1766
    1788
    18010
    ・これをそのまま足したのではプラスとマイナスが打ち消しあって0になってしまうので、2乗してから足しましょう。
    ・合計したものをデータの個数で割ります。

    A組なら10、B組なら40になった筈です。
    これを分散と言います。

  3. B組のばらつきはA組の2倍なのですが、分散は2乗してから足しているために4倍になっています。
    そこで分散の平方根を求めましょう。VBAでは平方根はsqr()関数を使います。
    分散の平方根のことを標準偏差と言います。

    平均だけでなく分散、標準偏差はデータ解析の基礎として重要です。必ず覚えてください。
    今回はBasicの練習のためにVBAを使って計算しましたが、Excelの関数でも計算できます。

    今回は前回の続きでしたので、早めに終わった人は別のトピックを勉強しましょう。

    一つ目は,プログラムの途中でウィンドゥを表示するInputBoxとMsgBoxです。
  4. これまでに作ったプログラムは、プログラムを実行するときにデータの先頭をクリックしておく必要がありました。
    その代わりに、Dim文の次に
    Range(InputBox("何処から足しますか?", "データ入力範囲")).Select
    という一行を加えてから実行すると、プログラムがデータの先頭が何処なのか尋ねるようになります。
    A1と入力するとA1セルから足します。
  5. 一つの行に色々書くと分かりにくくなりますので、一つずつ分けて書きましょう。
    dim msg as string,title as string, datarange
    msg="何処から足しますか?"
    title="データ入力範囲"
    datarange=inputbox(msg,title)
    Range(datarange).Select
    一つ一つの意味を考えてみてください
  6. 結果の表示も
    MsgBox(wa)
    のように書いてみましょう。タイトルをつけるには
    a = MsgBox(heikin, 0, "平均")
    のように書きます。

    二つ目は,自分で定義する関数Functionです。
  7. VBAのプログラムは、サブプロシージャだけでなく自分で関数を定義することもできます。 簡単な例として、与えられた二つの数を足す関数を作りましょう。End Subより下をクリックして今度は「function tashizan(x,y)」と入力してください。すると先ほど同様
     Function tashizan(x,y)
     
     End Function
    となります。今回も「Function tashizan(x,y)」と「End Function」の間にプログラムを書きます。今回はxとyの和を返すので
     tashizan=x+y
    と書きましょう。
  8. Functionの実行方法はSubと違います。Excelのシートに戻って、何処かのセルに
    =tashizan(1,2)
    と書いてみてください。3と表示されたら関数は正常に動作しています。
  9. Functionにおいて、与えられる変数や計算結果を返す変数の型を明示するには
    Function tashizan(x As Single, y As Single) as Single
    のように書きます。

    練習問題

    次の関数を作ってください ・エクセルのセルに=wa(n)と入力すると、1+2+3+・・・+nを計算した結果を返すもの
    つまり=wa(2)と書くと1+2、つまり3となり、=wa(3)と書くと1+2+3、つまり6になる関数。

    注意事項:Function の名前として"ex1"のような、「アルファベット 1 or 2 文字+数字」 の形式は、セルの名前と同じになるので使えません。

2007-11-05

変数選択

先週の続きです。
良いものを探します。
8通りの中には緯度x1、経度x2、標高x3どれも使わない、つまり定数項β0 3つの変数それぞれを使う|使わないで全部で23=8通りのモデル全部で一番だけのモデルも含まれます。つまりどの変量も予測の役に立たないので、どの地点も全て同じ、というモデルも比較対象にします。

8通りの組み合わせの作り方は色々考えられますが、簡単に考えられるのは2進法展開、つまり0から23-1=7までのループで
0=000
1=001
2=010

7=111
と展開して、(後で説明する展開の順序の都合で)右から順に1ならば使う、0ならば使わない、つまり
000なら空集合
001なら1
010なら2

111なら123
この変量を使う8つのモデルの比較をします。

2進法展開には割り算の余りを求める必要がありますが、それは%%で求めることが出来ます。
また小数点以下を切り捨てる割り算は%/%です。
例えば、6を2進法で表すなら、
6%%2=0なので1の位は0
6%/%2=3であり
3%%2=1なので10の位1
3%/%2=1であり
1%%2=1なので100の位は1
1%/%2=0なのでこれで終わり。
よって110です。

去年はVBAを使ったので連立方程式の解法も全て講義中に作り講義の進度が遅かったです。それでこれが最後の課題でした。今年はRを使って連立方程式のような基礎的な部分はRに任せてしまえるので、これが最初の課題です。

2007-11-02

第一章

教科書の例題を、実際に計算して見ることで理解を深めましょう。

Excelを使ったことが無い人は、総合情報基盤センター利用の手引き第2分冊第三章も読みながらこのホームページを読んで下さい。

準備

最初に一度だけ次の操作が必要です。
  1. エクセルを立ち上げて、ツール→アドインを選びます。

  2. 分析ツールにチェックをつけて、OKを押します。

教科書の例

例1.1例1.2例1.6
120
106
112
168
120
140
160
160
116
118
104
172
130
124
134
142
112
112
110
120
134
136
138
144
120
120
160
108
140
98
142
130
138
126
108
120
136
118
118
122
128
124
110
134
116
138
116
158
106
166
118
158
124
124
110
166
132
126
122
132
4
5
5
6
6
8
8
8
8
8
9
9
10
10
11
11
11
11
12
12
13
13
15
16
16
16
17
18
20
20
生徒身長座高
115988
215084
315786
415381
515883
615285
715583
815783
914576
1015885
1116185
1215083
1314879
1415484
1515485
1615985
1714983
1815586
1915384
2016088

例1.1 度数分布表とヒストグラム

教科書例1.1のデータをエクセルに入力します。キーボードから入力するか、あるいは上の表をコピーして、エクセルに貼り付けます。

次に、階級の境界の数字をC2セル以降に入力します。

ツール→分析ツールを選びます。

ヒストグラムを選んでOKを押します。

以下のように入力してOKを押します。

教科書で度数と書かれている部分が、エクセルでは頻度と表示されます。 教科書と同じ結果になりましたか?もし違うなら、その理由を考えてみてください。

例1.2、例1.4 1変量の特性値を求める

  1. エクセル左下のSheet2をクリックして、新しいシートに切り替えて、例1.2のデータをコピーします。

  2. まず合計を求めるためにG2セルに”=SUM(A2:A31)”と入力します。

  3. 平均と中央値を求めるためにG3セルとG4セルにそれぞれ
    =G2/30
    =MEDIAN(A2:A31)
    と入力します。

  4. B列に平均との差を求めるため まずB2セルに
    =A2-G$3
    と入力し、B31セルまでコピーします。

    覚えておくと便利なこと

    B2セルに =A2-G3 と入力すると、B3セルにコピーしたとき =A3-G4 になってしまいます。平均はG3セルに入っているのでB3セルでも引く数はG4ではなくG3のままで なければなりません。このような時は、 =A2-G$3 のように前に$をつければ、その文字はコピーしても変わりません。

  5. C列とD列にそれぞれ平均との差の二乗と絶対値を求めるためにまずC2, D2セルにそれぞれ
    =B2^2
    =ABS(B2)
    と入力し、C31,D31セルまでコピーします。

  6. 平均の差の二乗和を求めるためにG5セルに
    =SUM(C2:C31)
    と入力します。

  7. 分散を求めるためにG6セルに
    =G5/30
    と入力します。

  8. 標準偏差を求めるためにG7セルに
    =SQRT(G6)
    と入力します。

  9. 平均の差の絶対値の和を求めるためにG8セルに
    =SUM(D2:D31)
    と入力します。

  10. 平均偏差を求めるためにG9セルに
    =G8/30
    と入力します。

    実はエクセルには分散などを直接求める関数が用意されています。しかし、どのように計算して求めるのかを理解しておくことも重要です。 特に分散を求める関数としてExcelにはVARとVARPがあります。今回勉強した標本分散を求めるにはVARPを使わなければなりません。 VARとVARPの違いは、統計学入門で「推定」を勉強したときに教えます。

例1.6 2変量の相関を調べる。

  1. エクセル左下のSheet3をクリックして、新しいシートに切り替えて、例1.6のデータをコピーします。
  2. 散布図を描きましょう。
    (1)ワークシート例1.6を選択します。
    (2) B2セルの上でマウスの左ボタンを押して、押したままC21セルまでマウスを移動させて左ボタンを離します。

    (3) ツールバーの「挿入」から「グラフ」を選びます。

    (4) 「散布図」を選んで「完了」を押します。

    (5) すると次のような散布図が出来上がります。

  3. 回帰係数を求めます
    (1)ワークシート例1.6が選択されていることを確認します。グラフが邪魔でしたら横へ移動させてください。
    (2)先ほどの方法でも平均は計算できますが、今度はEXCEL関数の使い方を勉強するためにExcel関数を使って身長の平均をB22セルに計算します。 まずB22セルを選択し、挿入タブ→関数をクリックします。


    (3)すると「関数の貼り付け」が開かれます。そこで「関数の分類」から「統計」を、「関数名」から「AVERAGE」を選択し、OKを押します。
    (4)平均を取るデータの範囲を決定するため、数値1ボックスの右の赤い矢印が書いてあるボタンを押します。


    (5)身長データB2:B21を選択し終えたら、もう一度数値1ボックスの右のボタンを押すことでデータの範囲が確定されます。


    (6)OKを押せば、B22セルに身長の平均が入力されます。
    (7)座高についても平均を計算します。今回はB22セルをコピーしてC22セルに貼り付けるだけで結構です。
    (8)D列に身長から身長の平均を引いた値を2乗した値を計算します。まずD2セルに=(B2-B$22)*(B2-B$22)と入力してください。B22セルは先ほど計算した身長の平均が入っているセルです。
    (9)D2セルをコピーします。これをD21セルまで貼り付けて、すべての身長データの平均との差の2乗を求めてください。
    (10)E列では座高の平均との差の2乗を計算します。これもD列をコピーしてE列に貼り付ければOKです。
    (11)F列では身長と座高の平均との差の積を計算します。F2セルに=(B2-B$22)*(C2-C$22)と入力してください。あとはF2セルのコピーをF21セルまで貼り付けてください。
    (12)D列、E列、F列に対しても平均を求めます。これもB22セルをコピーして、D22セル、E22セル、F22セルに貼り付ければOKです。
    (13)実際に回帰係数を求めていきます。例1.6のデータの場合、身長はX、座高はYにそれぞれ対応しています。教科書p.27のaとbの式を参考にして、aをG24セル、bをG25セルでそれぞれ計算します。G24セル、G25セルにどのような式を入力すればよいでしょうか。
    ヒント:B22~F22の数値を使って計算しますが、中に一つだけ使わないものもあります。

    正しい式を入力すると以下のようになります。

    これで回帰係数を計算することができました。

    ツールバーの「グラフ」の中の「近似曲線の追加」を使うと、次のような回帰直線とその式を書くことも出来ます。

    自分で計算した回帰直線の係数と等しいことを確認してください。

2007-11-01

Wordの使い方

情報基盤センター利用の手引き第2分冊の第2章に従って使ってみてください。

次に

のようなファイルを作って保存して、メールに添付して提出してください。添付の方法は 情報基盤センター利用の手引き第3分冊の第3章3.3.3に書いてあります。