2011-07-09

ツバメのヒナ

ツバメについて色々調べたのでメモします。
巣をよく見かける理由
スズメやカラスだと鳥自身は見かけますが巣はあまり見かけません。鳥の巣、鳴いているヒナを見かけると大抵ツバメです。その理由は、ツバメは人間の近くに巣を作るからです。
ツバメの体は飛ぶことに特化しているので、他の動物との競争にとても弱いです。 ヘビ、カラスに襲われるのはまだ分かりますが、スズメと喧嘩しても負けます。くちばしの形が、地面から餌を拾うスズメはくちばしでつつくことが出来るのに、空中の餌をキャッチするツバメには出来ないからです。スズメに巣を乗っ取られてヒナを皆殺しにされることがあります。
人間の近くにいると、人間に襲われる危険は高まりますが(フンが汚いからと巣を壊す人がいるそうです)、それよりも人間がいるのでスズメやカラスが近寄らないというメリットの方が大きいので、人の家の近くに巣を作るのです。
巣の下にフンが落ちている理由
巣の底にゴミ捨て穴が開いているわけでもないので、不思議に思っていました。巣の中にフン残ると不衛生ですので、産まれたばかりのヒナのフンは親鳥が外に捨て、ヒナが自分の足で体を動かせるようになるとお尻を巣の外に突き出してフンをします。だから、ツバメの巣の真下にいては危険です。少し離れたところから見ましょう。それにあまり近づきすぎるとツバメ自身が警戒します。私も一度大きなデジカメのレンズを巣に向けたら、親鳥が背後から威嚇?警戒するような声を出したので、それ以来あまり近づかないようにしていますが、少し離れたところから見ていると、カラスやスズメが近寄ってこないという意味でツバメにとっても良いことです。
育てる時期
4月から7月の間です。卵を産んで2週間くらいで孵り、3週間くらいで巣立ちします。1日に1個ずつ卵を産むので成長には差があります。飛べるようになっても最初は親から餌をもらいながら、飛び方、餌の捕り方を習います。5月末頃までに一回目の子育てが終わり、7月末までに二回目が終わるようです。あまり遅くなると、秋に南国へ飛ぶ体力をつける時間の余裕がなくなります。
落ちているヒナを見つけた場合
成長と同じ羽毛が生えているのなら、ツバメに限りませんが、巣立ちして飛び方の練習中の可能性が高いです。
岡山県鳥獣保護センターにも
> 『巣立=自立』ではなく野鳥のほとんどが巣立ってから練習を重ねやっと大空を飛べるようになり、それと同時に餌の食べ方・獲り方・探し方、外敵の存在・逃げ方など、ヒナの成鳥段階に合わせ親鳥が「野生で生きる術」を教え込んでいきます。
> 雛は防衛策としてじっと動かない行動をとります。ケガしている??救護すべき??判断に迷ったら雛を連れて帰る前に、まずはセンターにご相談下さい。
と書かれています。また日本鳥類保護連盟にも
> 初夏になると「鳥のヒナを拾ったのですが、どうしたらいいですか?」という問い合わせが多くよせられます。 しかし、そのほとんどが、まだ飛ぶ力がついていない巣立ち直後のヒナが地面におりているだけで、保護しなくてもよいケースです。
と書かれています。

産毛、赤裸など、明らかに巣立ちしていない場合、きっとすぐ上に巣がある筈です。この場合、巣に戻すか戻さない方が良いのか?
日本鳥類保護連盟には
> 羽のはえてないヒナの場合
> 巣が近くにあるので、もし巣が見つかったらヒナを戻してあげましょう。巣が落ちている場合は、段ボールやカゴに巣材ごと入れてもとの近くに置いて、親鳥がもどってくるか様子を見てください。
と書かれています。カップ麺の容器にティッシュペーパーをちぎって入れると人工の巣になります。
落ちたヒナを巣に戻すとヒナについた人間のにおいを嫌い、親鳥が逃げてしまう可能性があるので望ましくないという意見もありますが、人が戻しても親鳥が育てたという人も居るので戻した方が良いのでしょう。親鳥にとっても、たった一度の事故で子供が居なくなるのは辛いでしょう。落ちた時にけがをしている場合、鳥獣保護センターに相談してください。ただ、落ちた理由が巣の外にフンをするときに足を踏み外したなど単なる不運なら再び落ちる可能性は低いのですが、親の巣作りが下手で落ちやすくなっているとか、そのヒナが病気を持っているとか、付近の餌が足りなくて全員は育てられないと親鳥が判断した場合、再び落ちる可能性が高いです。自宅に作られた場合など、可能ならば巣の下に棚など、落ちた時の怪我を防ぐ工夫をした方が良いでしょう。但し猫が巣に飛びかかる足場にならないように気を付けてください。
再び落ちた場合、もう一度戻してもまた落ちる可能性がありますし、病気や餌の問題で親鳥が落としたのであれば、戻すということは親鳥の邪魔をすることになります。自分で育てたくなりますが、二つ問題があります。人間界の問題と自然界の問題です。
人間界の問題とは、野生動物の飼育は禁止されていることで、この件に関しては動物の愛護と適切な管理に記載されている動物愛護管理行政担当組織へ連絡してください。以前は鳥獣保護法のもと、野生の鳥獣(特に鳥)は何があっても放置といった風潮が強かったようですが、近年では動物愛護法の改正に見られるように、動物愛護の精神が普及しだしたこともあって、自治体の多くが傷病鳥獣の保護(救護・レスキュー)の窓口や、保護施設の設置や業務の委託をしたりしていますので、おそらく許可が出ると思います。ただ、相談窓口によってはいまだに「自然への介入はすべきではないので何があっても放置」という、介入しないことだけに拘る人も居ましたし、あるいは「育ててはいけない」と言ってヒナが死のうがそれによって相談してきた人が悲しもうが窓口の人が責任を問われることはないのに対し「育てていい」と言って何らかの問題が生じると責任を問われるかも知れないので「育ててはいけない」と言う人も居ます。ですから、もし何もせず放置するように言われたら他の窓口に相談してください。自分で育てるということは、ヒナの命を自分で守るということですので、許可をもらえるまで粘ってください。
自然界の問題とは、成長と同じ羽毛が生えているヒナを拾ってはいけない理由と同じで、飛べるまでに成長しても親鳥が飛び方、餌の捕り方を教える必要があることです。この問題に関して、つばめの飼育日誌では実際の訓練について説明されています。大事なポイントとしては、鳥かごに入れたのでは飛ぶ練習が出来ないだけでなく、羽をぶつけて痛めますので、部屋の中で放し飼いにして飛ぶ練習をさせましょう。巣立ったツバメは共同生活して秋に南に帰る準備をしますので、そのグループに入れてもらえれば餌の捕り方を教えてもらえるかもしれません。YouTube:ツバメの子が仲間に迎えられる瞬間

参考
「つばめの子 ソラ」 ツバメのヒナとの出会いと別れ
ツバメQ&A
つばめのおうちは家の中
モンスとツバメ

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