2013-10-16

Cybershot RX10

ソニーからCyber shot RX10が発表されました。
発売は11月15日でまだ先ですが、技術が物凄くジャンプアップすることも、逆に後退することもないでしょうから、センサーやレンズの大きさから性能を計算してみます。

RX100は1インチセンサー、RX1はフルサイズセンサーなので、RX10はAPS-Cサイズセンサーだろうし、単焦点ならNikon Coolpix ARICOH GRがあるので、もう少し大きくてレンズが収納できなくて構わないのでライカXバリオのようなズームレンズで、RX100のような使いやすさだといいな、と勝手に思っていましたから、換算24mm-200mmの高倍率ズームで1インチセンサーというのは意外でした。
確かにAPS-Cサイズセンサーで高倍率ズームにすると、例えば望遠端換算210mmでの開放F値が5.6のAF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VRでもレンズだけで長さ97mm、重さ490gで、これに例えばNikon D5300をつけると撮影状態で約1kg、奥行きというか長さは約170mmになります。
レンズを無理に小型化すると写りが悪くなるので、大口径高画質高倍率ズーム一体型で常識的な大きさにするには1インチセンサーが適切でしょう。
RX10の重さは撮影状態で813g、大きさは129.0 x 88.1 x 102.2mmです。

センサーはRX100M2と同じだと思います。
実焦点距離と換算焦点距離の比は約2.728倍で、APS-Cだと1.5倍ですから、RX10のセンサーとAPS-Cサイズのセンサーだと、1辺の長さの比で約1.82倍、面積比で3.31倍です。
センサー全体の面積が同じなら画素数が多い方が一画素あたりの面積が減ってノイズは増えますが、画素数が少ないセンサーに合わせて画像を縮小することを考えればノイズリダクションをかける余地がありますので、仮に感度比は面積比のみに比例して画素数を無視して計算すると、ASP-Cセンサーと1インチセンサーではEV値で1.73段違いますが、RX10は高感度ノイズが少ない裏面照射型ですからそこまでの差はなくて約1段くらいでしょう。
APS-Cの一眼レフに開放F2.8とかF4のレンズをつけると値段も大きさもRX10と比較になりませんので、NIKKOR 18-140mmのような望遠端で開放F5.6のレンズと比較するとして、少し暗くて例えばRX10でシャッター速度1/250秒、絞りF2.8、感度ISO1600で撮る時、一眼レフだとシャッター速度1/250秒、絞りF5.6、感度ISO6400となります。
先ほどのざっくりとした計算で感度の差は約1段くらいと見積もりましたので、RX10のISO1600でのノイズはAPS-C一眼レフのISO3200くらいでしょうから、ISO6400で撮る一眼レフの方が高感度ノイズは多くなります。
実際には振動元となるフォーカルプレーンシャッターやクイックリターンミラーがないRX10の方がシャッター速度を下げても手振れしにくいので、さらに感度を下げることができます。
ですから暗いところでの画質はRX10の方が上でしょう。

一方、明るいところでは開放F5.6のレンズを付けた一眼レフも感度をISO100まで下げられるのに対し、RX10の最低感度はISO125で、これに面積比を掛けると一眼レフのISO400くらいのノイズになりそうです。
特に裏面照射型は、高感度領域では従来型よりノイズが少ないですが、低感度では従来型よりノイズが多いので、一眼レフのISO400よりノイズが多くなります。
一眼レフのISO400程度なら大したノイズではありませんが、ダイナミックレンジオプティマイザーを使うと明るい部分が白飛びしないように暗めに写して暗い部分を後から明るくするので、その部分のノイズが目立つかも知れません。

逆に、センサーがもっと小さいデジカメと比べると、開放F2.8通しの高倍率ズームデジカメとしてパナソニックのLUMIX FZ200がありました。
これは1/2.3インチセンサーなので長さの比で2.3倍、面積比では、仮にアスペクト比3:2の1/2.3インチセンサーがあったとして5.29倍となります。
対角線長が同じならば、アスペクト比が正方形に近い4:3のセンサーの方が3:2のセンサーより若干面積が広く26/25倍になります。
従って面積比は約5.09倍であり、EV値で2.35段違いますから、FZ200がF2.8通しと言っても、FZ200で絞りF2.8感度ISO100で撮るのと、RX10で同じシャッター速度で絞りをF6.3まで絞って感度をISO500まで上げるのとでほぼ同となり、画質面ではRX10の方が遥かに有利です。

その代わりFZ200は換算600mmまでのズームです。
RX10が換算600mmになるように中央部1/3インチの部分だけをトリミングすれば画素数は約224万画素となり、FZ200の1/2.3インチ1210万画素ではF2.8ですら小絞りボケを起こすことを考えてもまだFZ200の方が細部がはっきり見えるでしょう。
実焦点距離がRX10は最長73.3mmに対してFZ200は最長108mmなので仕方ないことですが。
ただ、RX10で中央部1/2インチをトリミングすれば換算400mmで505万画素ですし、FZ200と違って開放なら小絞りボケも起こらないので、これならFZ200の1/2.3インチ1210万画素に負けないと思います。

トータルで比較して、同じくらいの大きさのAPS-Cの一眼レフと比べれば暗いところの画質で勝つけれど明るいところの画質では負ける、そして位相差AFが使えない点でも負け、
FZ200などの高倍率ズームレンズ一体型と比べると画質は圧倒的に上ですし、望遠も400mmくらいまなら、トリミングで対応しても元の画質が良いので負けませんが、500mmを超える超望遠では望遠倍率で負けます。
私がもし今この大きさのデジカメを持っていなくて一台買うなら、200g重たいのを我慢してNikon D5300 18-140VR レンズキットかなと思います。
コントラストAFも進歩してきましたが、それでもまだ位相差AFと比べればピントが合わせ辛い被写体もありますし、ピントが合わなければどんなに画質が良くても意味がありません。
amazonの価格を見てもほぼ同じですね。

RX100と比べるとなると、確かに望遠端焦点距離は2倍ですし望遠端でも明るいですが、RX100の方が圧倒的に小さく広角端では1段以上明るくて値段も半額以下、となるとRX10が勝つのは望遠側、でも望遠なら位相差AFも欲しいし、となると、型落ちで安くなったRX100とD5200ダブルズームキットを買ってD5200には望遠ズームを付けておけば望遠端は換算450mm、それでいて2台合わせてRX10と同じくらいの値段です。
そのうちRX10の価格も落ち着いてくるでしょうけれど。

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