2009-08-11

Bayer配列とFoveon

結論

  • リサイズしない、つまりデジカメの一画素がパソコンディスプレイの一画素に対応するように拡大すればFoveonで写した画像の方がシャープ。
  • しかしパソコンの画面で写真全体を見たり、葉書の大きさにプリントアウトする場合には必ず縮小することになり、リサイズするならばBayerでもFoveonでも似たり寄ったり。
  • リサイズを前提とするならば、リサイズ前に輪郭強調をかけてはいけない。何故ならリサイズするためには高周波成分のカットが必要であり、一方輪郭強調とは高周波成分を増幅することである。カットしきれない高周波成分は画質低下の原因となるので、輪郭強調でわざわざ高周波成分をふやしてはいけない。
FoveonがBayerより綺麗に見える理由は、Bayerで写した写真に対してデジカメの一画素がパソコンディスプレイの一画素に対応するような見方をしてもシャープに見えるように輪郭強調がデフォルトでなされていて、それが写真全体を見るために縮小するときに悪影響を及ぼしているからだと思います。
元となる情報量が大差ないのですから、見え方の違いは光学及びデジタル的なローパスフィルタに依りますし、縮小処理には必ずローパスフィルタが必要になります。ナイキスト周波数が下がるのですから。

本文

  1. フォベオンの画像を800x600に切り抜く。これを元画像とする
  2. 元画像からRチャンネルのみ、Gのみ、Bのみの3枚の画像ファイルを作る。
    1. Rの画像を上に1ピクセルずらす(下に1ピクセル余白ができる)
    2. Bの画像を左に1ピクセルずらす。(右に1ピクセル余白ができる)
  3. Gの71%の縮小をかけ、800x600に拡大する(すこしぼやけた画像になる)。拡大縮小はリニアで。
  4. RとBを50%に縮小をかけ、800x600に拡大する(ぼやけた画像になる)。拡大縮小はリニアで。
    1. Rの画像を下に1ピクセルずらす(元位置に)
    2. Bの画像を右に1ピクセルずらす(元位置に)
  5. RGB3枚の画像をRGBのチャンネルで合成する。これでベイヤーの擬似再現完了。
  6. 最後にフォベオンの擬似再現として、800x600の元画像を、バイキュービックで71%に縮小。
というのを見かけたので試してみました。但し800x600ではなくて元画像そのままの大きさで実行して、このブログ用に1600x1600を切り抜いて800x800に縮小表示しています。クリックすると1600x1600で表示されます。

元画像

擬似ベイヤー

次に平均画素法できっちり2分の1に縮小しました。ブログに表示できる画像サイズの整数倍になるようにトリミングしています。
元画像

擬似ベイヤー

2分の1に縮小してしまうと、元画像との差は少なく、JPEG圧縮による劣化に紛れて分からなくなりました。

実際にBayerのD90ととFoveonのDP2で撮り比べてみました。とは言ってもこのブログは長辺が1600ドットまでですので、DP2付属ソフトで2分の1倍のJPEGに変換しました。この文章の下に表示される画像は半端な比率で縮小されているので、クリックして元の大きさで見比べてください。
まずは加工せず、ブログに合わせて縮小しただけです。

次に少し加工をしました。DP2は付属ソフトで等倍でtiff出力してレンズの倍率色収差を補正しLanczos2で縮小、D90は傾きを補正しました。一般に傾き補正をすると解像度的には良くないですし、DP2で撮った方は傾きが小さいのでDP2は補正していません。

違いが分かりやすい左下、特に木付近を拡大しました。Foveonはそのまま、ベイヤーは縦横2分の1に縮小しました。
最初はFoveon

次にベイヤーをニアレストネイバーで縮小しました。元々高周波成分が少ないので、ローパスフィルターのないニアレストネイバーでも画像は荒れず、寧ろシャープで良いように見えます。

画素平均法とLanczos2で縮小。急激な変化がないのでLanczos2でもリンギングは出ず、輪郭強調としての良い面だけが見えます。

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