でもファインダーでは見えていたものが実際には写っていなかったりすると困るので、余裕を持たせて、実際に写る範囲より少し狭い部分が見えるようになっています。
こうすると、ファインダーには見えていなかったものまで写りますが、それは後で切り捨てればいいです。
実際に写る範囲の中のどれくらいがファインダーで見えるのかを表す数字がファインダー視野率で、100%に近いほどファインダーで見える範囲と実際に写る範囲が近くなります。
しかし最近のデジタルカメラでは、レンズの歪曲収差を撮影後にカメラ内部で自動的に補正することがあり、この時に画像の端を少し切り取ることがあります。
そうなると、ファインダーの端に見えたものが、撮影後の画像には写っていないということがあります。
Nikon D7000はファインダー視野率が100%ですから、ファインダーで見えたものと撮影後の画像は一致する筈です。
ところが歪曲収差の大きなズームレンズを使って、歪曲収差自動補正をONにしていると、ファインダーの端に見えたものが撮影後の画像には写っていないということがあったので試してみました。
AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VRの広角端で撮影し、CaptureNX2で歪曲収差補正をOFFにして現像。
左側の四角の端と、右側のSがどれくらい写っているか見ておいてください。
ファインダーで見たのもこれくらいでした。
ここで写真を撮っていてこの現象に気づきました。「あれ?ファインダーでちゃんと入っていたのに写真からはみ出してる」って。
CaptureNX2で歪曲収差補正をONにして現像。
撮影後に表示される画像と同じです。ファインダーで見えていた左側の四角の外側の余白と、右側で全部見えていたSの半分が見えなくなっています。
DxOで歪曲収差補正をONにし、それによって生じる縦横比のずれを切り捨てない設定で現像。
収差補正なしの場合同様、左側の四角の外側の余白、右側のSの字が写っています。
レンズの収差補正をする場合は、フィルムカメラで、印画紙の縁を切ったり、スライドの枠で隠れる部分が生じるのと同様、ファインダーの端は切り捨てられることを前提に構図を考える必要があります。
マイクロフォーサーズのように、電子ファインダーで、収差補正後の画像を見ながら撮影する場合は、ファインダー視野率が100%になると思われています。
しかしこの場合も、実際にはもっと広い部分が写っていて、収差補正の際に切り捨てられていますので、収差補正のソフトを変えるともっと広い画像になります。
Lumix G1にLUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPHを付けて広角端で撮影。
実際に撮った時もこのように見えていました。
そのRAWファイルをDxOで現像。
左側を見ると分かりやすいのですが、もっと広い範囲が写っています。
考えようによっては、ファインダー視野率が100%になるように、画像の縁を切り捨てているわけです。
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