- オートフォーカス
- 安いのでセンサーがたった3つしかないのは弱点かな?と思いましたが、速くて精度も高いです。被写体をちゃんとセンサーの場所にあわせてフォーカスロックすればセンサーの数が少なくても困りません。この方法ではコサイン誤差が発生しますが、K100Dsuperはセンサーの数だけは11個もあったのにピンボケになることが多かったので、それと比べれば多少のコサイン誤差は気になりません。センサーの数より精度が大事だと実感しました。
- 操作性
- 電源を入れてからシャッターが切れるようになるまでの時間は0.19秒ということで、実感としてはLumixG1と同じくらい速いです。K100Dsuperではここで時間がかかりチャンスを逃すことがありました。またLumixG1はダイヤルが軽くて勝手に回っていることがありましたが、D60ではそのようなことはありません。
ストラップ取付金具はD60とK100Dsuperはしっかりしていて安心できます。これらと比べるとLumixG1はコンパクトデジカメと同じくらいチャチで、壊れてしまいました。 - 露出制御
- ニコンのデジタル一眼レフでずっと使われてきた3D-RGBマルチパターン測光IIに加えて、D3やD300から使われ始めたアクティブD-ライティングも備えています。
簡単に言うと、ニコンのカメラは(報道用だから?)暗い部分もはっきり見える事を第一優先にするため、明るい部分は完全に飛んでも仕方ない、という露出決定をします。アクティブD-ライティングを使うと、暗い部分は撮影後の補正も込みではっきり見える明るさになれば良いから明るい部分のことも少しは考えよう、という露出になりますが、それでも1段も違いませんので、明るい部分もきちんと撮るなら中央部重点測光でしかも1段くらいマイナス補正する必要があります。
- ホワイトバランス
- 青っぽくなりがちなので、ホワイトバランスをA4G0にしています。CMOSになったD90ではB2G0が良いそうです。
- 高感度ノイズ
- 受光素子の大きさ、画素数のとおり、フォーサーズのLumixG1よりはノイズが少なく、600万画素のK100Dsuperよりは多い、という感じです。
撮影メニューの「ノイズ低減」をONにすると、感度が400を超えた場合にノイズリダクションがかかります。
暗い場面でマルチパターン測光を使うと、必要以上に感度を上げてLumixG1よりノイズが増えた挙句、明るい部分は飛ぶ、という無意味なことになるので、ノイズの面からもマルチパターン測光を使うのは昼間で強い逆光の時に限ったほうが良さそうです。
以下、以前書いたメモです。
使った感じとしては、マルチパターン測光は強い逆光などでコントラストが高いときに、暗い部分を重視して露出を合わせるようです。
極端な逆光で、従来の中央重点平均測光を使うときにどれくらい露出補正をすればよいか迷うときに便利です。
これだけだと明るい部分が飛んでしまうので、撮影時に少し暗めに写して明るい部分を飛ばないようにして、その分後からソフトウェアで明るくするのがアクティブD-ライティングです。
原理としてはK20Dのダイナミックレンジ拡大と同じようです。
K20Dは写す時は感度を1EV下げて暗めに写し、JPEG変換のために1EV明るくする時に明るい部分が飛ばないようにしているのですが、アクティブD-ライティングではどれくらい暗く写すかも420分割RGBセンサーによって決めているようで、暗く写る幅が変化しています。
アクティブDライティングの効果の大きさD60ではオートだけですが、D700などは手動で設定できます。CaptureNX2で調べてみると、オートで撮影した時の効果の大きさが、手動設定のどのレベルとも違うことがありましたので、オートの場合もっと細かく設定しているようです。
中央部重点測光だと顔が暗くなる逆光でもきれいに写る、というのがマルチパターン測光の宣伝文句ですが、逆にマルチパターン測光が苦手な構図もあります。この例のように明暗差が大きいと暗い部分に露出を合わせようとして、明るい部分があっさり飛びます。ヒストグラムを見ても暗い部分が無駄に空いています。
この構図で真ん中に人が立つと、色白の人でなくても真っ白に飛びます。測距点を中心に露出を決めるので、距離が同じなら明るい部分で距離を測れば良いという情報もありましたが、真ん中に人が立っていても、周囲が暗いとそちらを明るく写そうとして人が飛びます。
どうしてこんなに暗部優先なのだろうかと思いましたが、最新のデジタルライフ情報を探すなら、MSNデジタルライフの書き込みによると
> どこかの記事で読みましたが、ニコンの考え方としては一眼レフを所有する人口が増えてきて、その多くがあまりカメラに詳しくない人
> そういう人たちが好む写真は、暗部つぶれが無く、主要被写体が明るく写っていることなので、D-ライティングを初め、露出も中間値を上げて明るく写るような設定なのだそうです
とのことです。
常に暗い部分を優先して明るく写すなら、マイナスの露出補正をするなり、上級機であれば基準感度を変えれば良いのですが、そう単純ではなくて、明暗差が大きいときに
・明るい部分が少ないと、平均的に露出を合わせるので、暗い部分は暗く、明るい部分は明るく写る
・明るい部分が多いと「これはきっと逆光で、本当に写したい部分は暗い部分だろう」と推測するのでしょうか、暗い部分も明るめに写り、明るい部分は飛びます。
上の例でも暗い室内ははっきり写っています。◆こてやま君!◆ NIKON D80のD-ライティングでも
> 露出ですが「3D-RGBマルチパターン測光II」を採用しているD80ですが、何だかおかしいのです。
> ステンドグラスの左側は光量が少ない為カメラを左に振るとシャッター速度が遅くなっていくはずですが、逆に早くなっていくのです。
> その為一番上のような暗い画面が出来たのです。
という現象があり、◆こてやま君!◆ D80 露出オーバー?と思ってニコンに問い合わせた結果中央部重点測光を使うことで露出が安定したそうです。
【伊達淳一のデジタルでいこう!】デジタル一眼6機種画質対決によると最新機種でもこの傾向があり、
・普段は中央部重点測光を使い
・逆光で顔が暗くなりそうなときに、露出補正幅を自分で決める代わりにマルチパターン測光を使う
という使い方が良さそうです。
D60:美しい総合画質 - デジタル一眼レフカメラ | ニコンイメージングには
> アクティブD-ライティングを使用の際は、測光モードは「マルチパターン測光」(初期設定)を推奨します。
と書かれていますが、私が使った感じでは「アクティブD-ライティングを使うためにマルチパターン測光を使う」ではなく「マルチパターン測光を使うなら、明るい部分が飛ぶのを少しでも防ぐためにアクティブD-ライティングを使ったほうが良い」と思います。
中央部重点測光ならアクティブD-ライティングを使っても露出は変わらないのですが、後からCaptureNX2で補正することが考えればアクティブD-ライティングをONにして撮影したほうが良いと思います。但しアクティブD-ライティングを使うとシャッターを押してから液晶に表示されるまでに数秒待たされます。その間に次の写真を撮ることは出来ますが。
ホワイトバランスが青くなるのが顕著に現れた例を貼ります。
【レビュー】ニコン D60 実写インプレッション (7) 依然と活躍する「仕上がり設定」 | 家電 | マイコミジャーナルには
> D60を使っていて結局最初から最後まで気になったのはういて見える青だった。晴天時の日陰がまるで霜が降りたように青く写る。日陰なのだから青いのは当然だが、それが強調されるため、まるで冬のように見える。空の青さも妙な具合になることがあった。本来なら明るくて白く淡くなるはずの空が、ペッタリと青く塗られてしまう。書き割りの背景のようにも見える。
とのことです。この記事ではオートホワイトバランスをA3G5に設定していました。私としてはA3G1で良いと思いますし、RAWで撮っておけば後から劣化なしに修正できます。
ちなみに、上の写真を明るすぎないように、青すぎないようにLightroomで修正すると
このようになります。
全体として、安いので上級機と比べて機能は削られていますが、基本性能は手抜きされていないので、機能の少なさを値段の安さで割り切れるなら、とても満足度が高いです。満足度が高いからこそ、「さらにお金を出して上級機を買うともっと機能も豊富」と思えてしまって高い機種が欲しくなるのが、ニコンの罠ですね。
追記:DxOだとこんな感じです。回転もしています。
これを載せた後で、回転させると縁を余計に切り取られることがあることが分かりました。回転させた後で他のソフトで切り取るとこのようになります。
編集画面上では、一番下の写真のように必要最小限しか切り取られていなかったのですが、保存するときにかなり大きく切り取られています。DxOのバグです。DxOのクロップ機能は使わないほうが良いです。
ニコンのカメラの詳しい情報はキンタロウの散歩道にあります。
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