2011-01-05

Silkypixのハイライト処理

Silkypixに関しては、以前からハイライトの描写が苦手青の彩度が高いという2点が気になっていたのですが、この二つが組み合わさるとかなり不自然な描写になります。


太陽付近の青空の、白飛びした部分と白飛びしていない部分の境界線がはっきり見えます。別に白い雲があるわけではありません。一面の青空です。もっとなだらかに彩度が下がってだんだん白になって欲しいのですが。
この写真はGXRで撮ったもので、他の手持ちのソフトで現像出来ないので比較できません。比較のためにD7000で撮った写真で比較してみました。
D7000で撮った写真の背景のピントが合っていない部分を切り抜きました。CaptureNX2では点光源のボケがこのように表現されています。

これがSilkypixだと、青いイルミネーションのボケの境界がくっきりして、まるで丸いシールかスタンプを貼りつけたようになります。特に右側の男性の写真の視線のすぐ先が目立って浮いています。

コントラストを「忠実」に下げたのですが、それでも目立ちます。

Silkypixはハイライトコントローラーが特色の一つです。色相重視にすると、青がはっきりします。

輝度重視にすると、輝度を正確に表現するため青以外のレベルも上がって白くなりますが、それでも元々青の光源だけ、ボケの境界がくっきりとなり、他の光源は柔らかくボケたままです。

彩度重視にすると、色の濃さはちゃんと表現されますが、やはりボケの輪郭がくっきりしたままです。

以前Pentax K100Dsuperを使っていた時、添付ソフトの現像エンジンはSilkypixで、これと同じ描写でした。その時は他のソフトと比べませんでしたし、K100DsuperはRAWとJPEGの同時記録が出来ないので比較も出来ず、「K100Dsuperの点光源描写は変だな」と思っていたのですが、これはK100DsuperのせいではなくSilkypixの現像エンジンのせいでした。そのソフトが作られたのは5年くらいまえなのですが、全然改善されません。何かうまく調整するとこの点光源のボケの輪郭を自然にできるのでしょうか?

以前比較したときはLightroomの方がハイライトの描写が綺麗だったのですが、手持ちのLightroom2はGXR A12 28mmやD7000に対応していません。バージョンアップするか検討するために、GXR A12 28mmに対応したLightroom3.3を試用してみました。

ホワイトバランスは撮影時のオートのまま、明るさなどはLightroomの自動設定です。明るい部分になるにつれ、まず最初に青が飽和するので、色相が若干変わってしまいますが、急に白くなって境界線が目立つよりマシです。Silkypixのハイライトコントローラーで色相優先にすれば色相の変化を防いでくれるわけですが、それ以前に、ハイライトコントローラーが工夫しようとする部分と素の部分の境界が目立つのが困ります。

青い点光源がボケている部分は、青が飽和しているので青い丸になるのはSilkypixと同じで、CaptureNX2のようにはなりません。よく見ると、Silkypixのように青が飽和してハイライトコントローラーが工夫した部分とそうでない部分の境界が目立つ、ということはないのが良いと思います。Silkypixで目立っていた右側の男性の写真の視線のすぐ先の青い部分が目立たなくなっています。
とは言え、その差は僅かですし、特に青い点光源は難しいようで、CaptureNX2と比べればどちらも満足しがたいです。一方青空の方はSilkypixでもコントラストを忠実にすればハイライトコントローラーで何とかなりそうです。

コントラストを忠実にして、色相優先にするとこうなりますし、これなら色相が変わるLightroomより良いと思います。
点光源の方は

シャープネスを切ってデモザイク先鋭度もゼロにして輪郭を強調しそうなものを全部切ってこれくらいです。まだCaptureNX2ほど綺麗ではありませんが、点光源の方はLightroomでも青い丸になっていましたから仕方ないでしょう。Lightroomの方が格段に優れているというわけではなさそうですのでバージョンアップは見送ります。
コントラストを忠実にすると普通の写真では眠たくなってしまうのですが、このような写真を自然に仕上げることが出来ます。

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