Nikon D7000
これまでNikon D90を使っていて不満に感じていた点の多くが改善されて使いやすくなっています。まずオートホワイトバランスが正確になっています。勿論日中屋外ならホワイトバランスの晴天プリセットを使えばよいのですが、人工照明が複数混じっていて、色温度計を使わない場合は、現像時に色温度を色々試してみるよりオートホワイトバランスに頼れるならその方が楽です。
但し若干青っぽくなります。これまで使った中ではD60はかなり青っぽい、D90は少し黄色っぽいのに対し、D7000は少し青っぽいです。オートホワイトバランスをA1~2に調整した方が良さそうです。
RGBマルチ測光はコントラストが強いときには、暗いところ優先で露出を決定するため白飛びしやすいです。アクティブDライティングをオートにすると、コントラストの強さに応じてアクティブDライティングのレベルを変え、それに応じて露出を絞ってくれますが、それでもまだ白飛びしますので、基準露出を-1/6~-1/3に設定しています。
アクティブDライティングの画像処理そのものはD90より大幅に改善され、明暗部の境界が自然です。デジタル処理の部分は2年で確実に進歩しています。
D300と同じく14bit可逆圧縮でRAWで記録できるようになりました。この場合、画素数の増加もあってRAWファイルサイズがD90の倍くらいになりますが、カードスロットが2つに増えているので同じくらいの枚数を記録できます。さらにSDXCにも対応していますが、まだSDXCのカードを持っていません。
ライブビュー、動画撮影時のコントラストAFも進歩していて、動画撮影中にコントラストAFが動作するようになりました。最近のズームレンズは焦点距離を変えるとピント位置も移動するためピントを合わせなおす必要があります。D90の場合、動画撮影中にズーム操作してもピントを自動的に合わせなおすことが出来ませんでした。
但し、位相差AFも測距点が増えて使いやすくなると期待していたのですが、周辺部のセンサーを使うと精度が足りないのか、ピンボケになることがあります。周辺部のセンサーを使うより、中心のセンサーでピントを合わせてAFロックして構図を決めた方がピントが合います。この方法だとコサイン誤差とか像面湾曲の影響を受ける筈なのですが、実際に使ってみるとこの方が良いです。それに暗い所で左側のセンサーを使うと、AF補助光がレンズの陰になって左側に届きませんし。
D90と同じレンズを使ってCaptureNX2でビネットコントロール(周辺減光補正)を同じ設定にすると周辺の方が明るくなってしまいます。レンズ自体の特性による周辺減光が変わるわけありませんので、センサーのマイクロレンズの調整で、周辺で斜めに入る光に対する感度が上がったのでしょうか?
SIGMA 30mm F1.4 EX DC/HSMとの組み合わせ
D90と組み合わせていた時から、カメラ、被写体の位置を動かさなくても、位相差AFを動作させるたびにフォーカスが少し動くということがありました。実際の距離は変わっていないわけですから、フォーカスが少し動くたびにピントがあったりずれたりするわけです。修理に出す前は明るいところでも3枚中2枚はピンボケだったのが、修理に出したら3枚中1枚ピンボケ程度には改善しました。開放F1.4なら被写界深度が浅いのも当然ですが、F5.6まで絞ってもピントを合わせたかった部分はピンボケで全然違うところにピントが合うことがあります。
D7000でもこの症状は同じでした。さらにこの症状に加えてD7000ではコントラストAFが動作しません。
ネット上で探すともりもりゲームブログ: EOS 7DのAFマイクロアジャストメント機能で完全復活!!「SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM」レンズの超実力!!という人もいますが、私のレンズの場合、単なる前ピン、後ピンではなく合ったり合わなかったりということで、D7000のAF微調整で対応できる問題ではありません。
価格.com - 『AF微調節はどれ位かけてますか?』 ニコン D7000 ボディ のクチコミ掲示板
> シグマにも使いたいレンズが多々あるんですが、ピントが来ないのが身にしみて分かっているだけに一歩踏み出せないです(苦笑)
私だけではないようです。ネット上で探すと、運よくピントが合う人もいらっしゃるようですが、私の場合修理に出してもこの様子です。
このレンズに限らずシグマのレンズを買うのは宝くじを買うようなもので、当たれば純正以上に良く写ることもあるのですが、外れると、問題があるのは撮影ミスでもカメラ本体でもなくレンズである証拠を揃えてシグマに送って(カメラ本体ごとシグマに送るとその間他のレンズでも写せなくなりますし)戻ってきたら試し撮りして直ったことを確認して、ということの繰り返しで、ちゃんと使えるまでに時間がかかります。デジカメは待てば安くなることは承知の上で安くなる前に撮りたいから買うわけで、なのに買ってすぐ使えないのは困ります。ニコン純正レンズでも初期不良はありましたが翌日には交換してもらえましたし。そのリスクを覚悟の上でどうしても買いたい人は兎も角、相談を受けて安心して勧められるメーカーではないですね。
Pentax K100Dsuperを買った時も、同じセンサーを使っているNikonD40と迷って、測距点の数、ボディ内手ブレ補正というカタログスペックでPentaxを選んでAFに泣かされました。今回もNIKKOR 35mm f/1.8Gと迷って、明るさはそんなに気にしませんでしたが画角的に30mmの方が自分に合うと思ってこのレンズを選んでAFに泣かされました。撮る時にあと一歩下がることにして最初からNikkorを買えばよかったです。カタログスペックで選んでは駄目ですね。
追記:
AF-S DX NIKKOR 35mm F1.8Gを買ったらこれまでの苦労が嘘のようにピントが合います。修理に出しても駄目なものは駄目とさっさと見切っておけばよかったです。
Ricoh GXR A12 28mm
単焦点で、バックフォーカスを気にせず、パンケーキレンズほどには大きさも気にせず作るとこんなに綺麗に撮れるのかと驚きました。動物とか車窓の風景のように動くもの、鳥のように望遠が必要なら一眼レフに敵いませんが、じっくり撮るならズームレンズ付きの一眼レフより写りが良いです。この値段、この小ささ、この画角でこれ以上綺麗に撮れるカメラはないと思います。手振れ補正はないですが、高感度が使えるし、一眼レフのように動くミラーがないので案外ぶれません。手振れ補正も、ボディ内蔵型だとα33/55のようにライブビューでは放熱の問題がありますし、ペンタックスやオリンパスの安い機種だと特定のシャッター速度できちんと動作せず、手振れしないはずのシャッター速度で逆にブレを発生させることがあります。 またレンズ内蔵型だと余計なレンズが増えて、影響は僅かですが写りが悪くなりますので、手振れ補正がなくてもぶれにくいならない方が良いです。それに単焦点で手振れ補正を内蔵したレンズはなさそうですし。私が最初にデジタル一眼レフを買った時は、広角の単焦点レンズが使いたくてPentax K100DsuperとDA21mmの組み合わせで買いました。DA21はパンケーキなので単焦点にしては歪曲収差があったのと、なによりK100Dのオートフォーカスがあまり合わずに希望通りにはならなかったのですが(その後Nikon D60を買って、こんなにオートフォーカスが違うのかと驚きました)、GXR A12 28mmだとほぼ最初の希望通りです。
但し、オートフォーカスはコントラストAFなので一眼レフの位相差AFと比べると遅いのは最初から分かっていましたが、同じくコントラストAFのPanasonicのマイクロフォーサーズと比べても露骨に遅いです。同じ画角での比較なら被写界深度、レンズの重さの違いで当然かもしれませんが、マイクロフォーサーズに望遠ズームをつけてもまだGXRより速いです。
しかもイルミネーションのような点光源だとピントが合わず、MFで目測で合わせるしかありません。これはかなり困ります。
オートホワイトバランスもD7000ほど賢くはなく、日中屋外ならプリセットで、人工光源が混じっている場合はSilkypixで合わせなおす必要があります。
Silkypixで現像すると独特の色(「標準色」に設定しても青の彩度が高い)になりますが(レース写真で比較するRAW現像ソフト その4 - 『Joppa and webgpe Life with photographs』)、FastStone Picture Viewerのような、恐らくRAWファイルに記録されたパラメータどおりに現像して表示することしか出来ないソフトを使って表示しても、Silkypixで現像した画像に近く、同時記録のJPEGとは異なります。
JPEGには歪曲収差補正は効いていない、というか不要のレンズです。倍率色収差補正は効いているようで、RAWから現像すると若干目につくことがあります。
全体として、同じくセンサーの大きなコンパクトデジカメであるDP1/2と比べれば、オートフォーカスも速く、高感度も使えるので使いやすいです。ただ贅沢を言えばきりがなくて、3年前のD300と同系統のセンサーなので、最新のD7000と比べれば高感度は負けます。
操作性は、私は元々気にしていなかったのですが(どうせ一眼レフと比べれば起動時間もオートフォーカスも遅いから、他の操作ものんびり使えば良いと思ってます)、「リコーのデジカメは操作性が良い」というこれまでの評判と比べると悪いそうです。GXR と一ヶ月(2) 不満点専科。私が感じたこととしては、単焦点ユニットでは撮影時に使わないズームボタンに何か別の機能を割り当てられると良いと思います。レンズ・センサー一体型のユニットを交換しても背面ボタンは共通、というこの形式では、ユニットによっては使わないボタンが生じるわけで、ここは工夫の余地があります。
GXRの今後の展開予想
ミラーのためのバックフォーカスの長さが不要なので、焦点距離の短いレンズを作るなら、位相差AFのためにミラーが必須な(ファインダー像に関してはα33/55のようにミラーがあっても電子ファインダーというのがあります)一眼レフより設計の自由度が高くなるので、小さくしかも写りが良いレンズを作れます。その意味でこの換算28mmユニットはGXRの長所を活かしていると言えます。一方望遠レンズになると、バックフォーカスは元々長くミラーアップのスペースを気にしなくて良いのでGXRやミラーレスの長所がなくなり、むしろ位相差AFが使えないデメリットの方が大きいです。さらにボディの大きさと比べてレンズが長くバランスが悪くなります。短くしてかつ望遠にするならセンサーサイズを小さくしなければならず、フォーサーズや噂のニコン1インチセンサーが使えればよいのですが、そうでなければコンパクトデジカメと同じになります。そして望遠重視のコンパクトデジカメならGXRに拘らなくても山のように選択肢があります。
他社交換レンズが使えるマウントユニットの噂もありますが、それも他に選択肢があります。GXRには「ユニットによっては使わないボタンがあって操作性上無駄になる」という点がありますので、単に他社交換レンズを使うならマイクロフォーサーズの方が良さそうに思います。
ということで、今後GXRの特徴を活かすレンズとしてはAPS-Cセンサーを使った超広角が考えられます。
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