2009-07-04

DxOの使いこなし

家の近くのお好み焼き屋でお好み焼きを買ったら、キャベツが妙に酸っぱかったです。そんな味付けなのかもしれませんが、持ち帰ったので確かめられませんし、お好み焼きの中でキャベツだけ酸っぱく味付けるのも難しいので、上の卵とか麺だけ食べました。勿体無かった…

DxO Optics Proのメニュー。青文字は初期状態でONの項目、赤文字は変更した項目です。

移動/ズーム
表示サイズの変更と、拡大表示の場合どこを拡大するかの選択
ヒストグラム
ヒストグラムと、白飛び、黒潰れ場所の表示
EXIFエディタ
EXIF情報の表示と著作権の入力
プリセットエディタ
プリセットの編集と選択
ライト
露光補正
明る過ぎて白飛びしている場合に全体を暗くする。デフォルトはカスタム。DxO Lightingを使うなら強くに、使わないなら弱くに変更。
DxO Lighting
覆い焼きのように、暗い部分だけを明るくする。ニコンのアクティブD-ライティングと同じ原理ですが、覆い焼きの分割の精度が高くて境界が不自然ではないです。デフォルトは弱くですが、必要なときだけ使えばよいのでOFFに変更したものをプリセットに。
ヴィネット
周辺減光補正。CaptureNX2よりも正確です。
トーンカーブ
トーンカーブ
カラー
RAWホワイトバランス
デフォルトは撮影時設定。撮影時設定のものと昼光と2種類のプリセットを用意しました。
ViBrancy
鮮やかさ
カラーレンダリング
ここで仕上がりの色の特徴が決まります。
Minolta 5D, 7D(α7Digital)に変更したものをプリセットに。
「デフォルト」にするとそのカメラ本来の色になります。OFFにしたものと区別できません。
「カメラ本体」の「ニュートラルカラー:ニュートラルな色調」にすると、色調が飽和したり潰れたりしないように明るさを調整するみたいで、色調は兎も角、明るさが、明るいところと暗いところで別々のトーンカーブを用いた、所謂ハイダイナミックレンジ合成されたような、ちょっと不自然な感じになります。
「ニュートラルカラー:リアルな色調」にすると色調が飽和したり潰れたりしないようにするのを、コントラストを抑えることで実現しようとするので眠たい感じになります。
「ニュートラルカラー:工場出荷設定の色調」や他のカメラ、ポジフィルムを選ぶと、トーンカーブをあまり大きく変更しないみたいで、ある程度明るい部分は飛び暗い部分は潰れますが、自然さは保たれます。
結局、パソコンで表示できるのはRGBとも8bit256階調しかないわけで、それ以上の明暗差がある被写体なら、暗部を潰し明部を飛ばすか、明るい部分と暗い部分を別々に処理するか、全体でコントラストを抑えるか、どれかを選択しなければなりません。それぞれい一長一短あって万能な方法はありません。
他のデジカメ風とか、様々なフィルム風に設定できましたが、フィルム調が使えたのはどうやらFilm Packの体験版が同時にインストールされていたみたいで、しばらくすると体験版の期限が切れたのでしょう、使えなくなりました。
カラーモード
スタイル(風景、ポートレートなど)、コントラスト、彩度を選びます。コントラストはここで4段階で設定できるだけです。デフォルトは中高と中低の間です。
風景だけのときは「風景」、手前に人物を入れたときは「ポートレート」という使い分けだと、仕方ないことですが同じ背景でも手前に人物が居るときと居ないときで背景の色合いが変わってしまって違和感がありますので、結局デフォルトで使うことにしました。
色相・彩度・明度
ソフト標準の設定で不充分な場合に自分で微調整します。
マルチポイント・カラーバランス
ジオメトリ
焦点距離
調整に必要な焦点距離の情報が間違っているときに設定します
ディストーション
歪曲収差補正デフォルトでは縦横比を保つためにクロップが多いので、縦横比率維持のチェックを外したものをプリセットに。
ボリューム収像補正
ボリューム歪像を補正します。
キーストーン/水平
水平線の傾きを補正したり、シフトレンズのように見上げて写したことによる建物の上のほうが狭く写る事も補正できます。
クロップ
トリミング。編集画面と実際に保存されるファイルでは切り取られる部分が違うというバグがあるので、使ってはいけません。
ディテール
シャープネス
デフォルトではレンズブラー補正だけです。OFFに変更しました。
Lens Blur補正は、非点収差などの収差によるぼけが画面のどの部分(中央、周辺)、どの色でどれくらい生じるかという情報に基づいてアンシャープマスクをかけているみたいです。点になるべき像が点にならずにボケているものを補正しているので、完全に元の点に戻る訳ではなく、アンシャープマスクのパラメータを画面内の場所ごと、色ごとに自動設定してくれているだけに思われます。
画面で見るにしても、ブログに載せるにしても、L版やはがきの大きさに印刷するにしても縮小することになります。輪郭強調は縮小後の解像度に合わせて行うのでOFFに変更しました。
粒状感
フィルムっぽくするみたいです。Film Packのの期限が切れると使えなくなりました。
DxO Noise
ノイズリダクション。
ダスト除去
色収差
倍率色収差を補正します。収差が少し残ります。
マイパレット
自分が良く使う項目だけ登録できます。
長所は、収差補正の正確さ、ノイズ除去の的確さです。逆に短所は画像を弄り過ぎる事で、コントラストを高めにしてDxO Lightingで潰れを防ごうとして、不自然になることがあります。
素直にDxO Lightingを切ってコントラストを中低にして、一通り現像した後で、明るすぎ、暗すぎがあったらコントラストを下げたり露光補正を調整して現像しなおし。それでもだめな時にDxO Lightingを使うことにしました。

問題点は

  • 時々ハングアップします。一枚ずつ調整して最後にまとめて処理するので、沢山調整した後でハングアップすると泣きます。こまめにプロジェクトを保存しましょう。
  • 回転したときに、回転の情報に基づいて自動的にクロップすると、時々大幅に切られます。常に、ではないのですが、発生する条件が分かりません。大きく回転させればそれだけ大きく縁が切られるのは当然ですが、D60の露出制御の最後の写真は0.63°だけなのに他より大きく切られています。縦横比を維持しようとしたとしても、ここまで大きく切る必要はありませんし、何より画面で見たときと保存したときで切られる範囲が変わるのは問題です。回転するときに縁を切るのは別のソフトに任せたほうが良いです。
  • 日本語オンラインマニュアルはQ&Aだけです。ホームページの商品解説に載っている事を使いこなそうとすれば英語マニュアルを読む必要があります。要は海外のソフトの、ソフト本体のメニューと広告を日本語化して日本円で支払えるようにしただけ、という感じです。
  • 倍率色収差が補正しきれずに残ります。これはソフトの問題ではなくて、レンズの前につけたフィルターのせいかもしれません。
  • このソフトが保存したTIFFファイルだけ、Ralphaで読むことが出来ません。何故でしょう?一旦他のソフトで開いて上書き保存すれば読むことが出来るようになります。
    CaptureNX2は、倍率色収差の補正に関してはレンズ情報だけでなく画像自身の色にじみのを見て補正していますので、DxOで保存した倍率色収差の残ったファイルを一旦CaptureNX2で開いて、倍率色収差を補正してTIFFファイルに上書きしています。

DxO LightingはニコンのアクティブD-ライティングよりも境界の処理が上手ですし、飛ばないような明るさの設定もCaptureNX2と違って一発で出来ますので、まずプリセットを煮詰めたものをいくつか作って、そのプリセットを指定して読み込んで、一括処理。ブログ用にリサイズする場合は別のソフトを使うのでTIFFで出力し、それ以外の場合はJPEGで良いでしょう。
ニュートラルカラーにすると、肌色が濃くなりすぎます。もしかしたら、フランス製ソフトということで白人の肌色に合わせて調整しているのでしょうか?S5ProのフィルムシミュレーションモードにもあるAstia, Provia, Velviaは、このソフトでは「カラーポジフィルム」の中に入っています。万能ではありませんが、1枚1枚じっくり調整するときには試し甲斐のある選択肢です。

CaptureNX2はパラメータ調整に時間がかかり、だからこそ調整したパラメータ毎NEFを保存することになり、結局ファイルサイズが増えていました。その点、DxOなら時間をかけて調整しなくても綺麗なのでパラメータを保存する必要はありません。
カラーレンダリングをデフォルトにすると、D90生成のJPEGと比べても淡白になります。カメラ生成JPEGにはピクチャー・コントロールが反映されていますが、ピクチャー・コントロールの設定をDxOは無視するからです。CaptureNX2ならば反映されます。これは結構困る部分で、色々調整してみたのですが、青空が薄く、植物の緑が濃くなり、他に影響を与えないようにしながら空と植物だけ修正することが出来ません。カラーレンダリングでMinoltaα7digital風を選ぶのが一番D90生成のJPEGに近いようです。Fuji S5を選んでも本物のFinePixS5Proのような空の青さになりません。

そんなことを考えながら同じ写真をCaptureNX2とDxOで現像していて、面白いことに気づきました。次の二組の写真は、最初がCaptureNX2、後がDxOです。明るさや色合いも違いますが、橋に注目してください。

DxOで現像した方は、橋の枠の中が暗くなっています。DxO Lightingを使ったからです。DxO Lightingは覆い焼きの境界の処理は上手ですが、領域の判断を間違うことがあるのですね。
そう思って古い写真を見てみると、これは面白いことになっています。
最初のはDxO Lighting Off、次はOnです。枠を境界線として明るくしているので、元々同じ色なのにところどころ明るくなっています。

このような境界の誤判断がなかったとしても、画面全体の明るさのバランスを崩すことで明るい部分の白飛びや暗い部分の黒潰れを避けるのですから、DxO LightingやActive D-Lightingの利用は最小限に抑えたほうが良さそうです。
自動処理の場合は、カメラやソフトにはどの部分が大切なのか判断できないので、バランスよりも飛ばさない、潰さないを優先せざるを得ませんが、自分で調整する場合はまず通常の明るさやコントラストの調整だけを使って、それでも駄目なときだけDxO Lightingを使うことにしましょう。

RAW現像ソフト大テストしてみた
RAW現像ソフト大テストしてみたパート2
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